株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)の連結子会社である株式会社CyberZ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕)は、株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区、代表取締役社長:梅田佳夫)と共同で、「2015年 スマートフォン広告市場動向調査」(※1)を行いました。
本調査は、スマートフォン広告を「検索連動型広告」、「ディスプレイ広告」、「成果報酬型広告」の広告商品(※2)に分類し、年間スマートフォン広告出稿額を推計し(対象期間:2014年1月~2014年12月)、市場規模予測を算出しております(※3)。また、今回は新たに、昨年末より広告主の出稿ニーズが拡大した「ネイティブ広告」(※4)の市場規模予測を算出いたしました。調査結果は以下のとおりです。
■ 2014年のスマートフォン広告市場規模推計
2014年のスマートフォン広告市場規模は、3,008億円。前年比162%と高成長。
2014年は、国内におけるスマートフォン端末の普及率が過半数に達し、ユーザーのインターネット利用は、PCからスマートフォンへ本格的にシフトしました。ソーシャルメディアをはじめ、eコマースや、動画・ゲームに代表されるデジタルコンテンツ等においては、スマートフォン経由の利用がPCを上回るケースが顕著になりつつあります。また、スマートフォンの特性を活かした広告媒体や広告フォーマットの登場により、スマートフォン向け広告商品の多様化が進み、広告主のスマートフォンにおけるプロモーション環境は大きく改善されました。これらを背景に、広告主のスマートフォン広告需要は前年同様に急速に拡大し、2014年のスマートフォン広告市場は、前年予想時の2,304億を大きく上回る3,008億円(対前年比162%)となりました。(広告商品別市場規模は、次項に記載)
■ スマートフォン広告商品別動向
2014年のディスプレイ広告市場規模は、1,648億円。前年比193%と急成長。
全体に占めるディスプレイ広告の構成比が初めて過半数を突破し、市場規模拡大をけん引する結果に。
2014年のスマートフォン広告商品別市場規模は、検索連動型広告市場が1,200億円(前年比140%)、ディスプレイ広告市場が1,648億円(前年比193%)、成果報酬型広告市場が160億円(前年比109%)となりました。最も成長率が高いディスプレイ広告市場が全体に占める構成比は、前年の46%から54%へ拡大。
広告商品別動向は以下の通りです。
【 検索連動型広告 】
2014年も引き続き順調な需要増加がみられましたが、検索1回あたりの広告出稿額に伸び悩みがみられ、2013年までの成長率と比較すると、伸び率が緩やかになりつつあります。今後は、ユーザーのインターネットにおける消費行動に対し、PCとスマートフォン、あるいはWebとアプリとの使い分けを的確に捕捉し、これに対応した広告主の投資配分をより的確に行えるかどうかが、検索連動型広告需要が持続的な成長をする上で必要となると予想されます。
【 ディスプレイ広告 】
国内外のゲームデベロッパーのプロモーション需要に加えて、eコマース、金融など従来のPCインターネット広告向け大手広告主による、PCからスマートフォンへの予算シフトが進むとともに、大手ソーシャルメディアが提供する新たな広告フォーマットや、動画広告のほか、フィード型のネイティブ広告など、広告商品の拡充が進みました。このような状況を背景に、ディスプレイ広告の単価水準に上昇傾向がみられました。ユーザーのスマートフォンメディアの視聴が増加していることを背景に、アドネットワーク広告も前年に引き続き好調に増加し、さらにPCが中心であったDSPによるRTB広告配信在庫にも広がりがみられました。
ソーシャルメディア広告に関しては、ユーザーの属性や嗜好、興味関心などに応じたきめ細かなターゲティング広告の配信が可能であるため、広告主の出稿が急増し、ソーシャルメディア広告が全体に占める割合は昨年より大幅に増加しております。また、動画広告は、ソーシャルメディアやニュースキュレーションアプリなどからの提供が本格的に開始され、スマートフォン広告手法における選択肢が広がりつつあります。
【 成果報酬型広告 】
成果報酬型広告は、ゲームデベロッパーのプロモーションタイトル数が増加した一方で、一部の広告商品において単価の下落が見られました。このため市場規模の増加は緩やかになっております。一方で、動画フォーマットの広告商品や、ターゲティング手法を取り込んだ広告が新しい需要を取り込みつつあります。
■ スマートフォンネイティブ広告市場予測
2015年以降、スマートフォンネイティブ広告の需要が急増。
2015年の市場規模は150億円、2017年には350億円に到達すると予測。
2014年には、スマートフォン広告提供事業者の多くが、ネイティブ広告と銘打った広告商品の提供を開始しました。また、ネイティブ広告の掲載先として、ニュースキュレーションアプリなどがスマートフォンならではの新しいメディアとして注目を集めました。ネイティブ広告は、従来のディスプレイ広告に次ぐ新しいスマートフォン広告の提供形態として今後普及していくことが予想されます。2015年には大手事業者による参入も予想されることなどから、広告主の出稿ニーズは急速に拡大することが予想されます。
「ネイティブ広告」の定義や、健全な提供形態に関するあり方については、業界内外で様々な議論がなされています。ユーザーに嫌われない広告商品がどうあるべきかという命題の元、デジタルマーケティング業界の議論を踏まえた、既存広告商品の再定義が必要であるという色彩が強く、今後も変化していくことが考えられます。これらを踏まえて、今後も継続して市場の拡大とともに変化が進むことが予想されます。
■2015年のスマートフォン広告市場
2015年のスマートフォン広告市場は3,903億円。前年比129 %と高い成長率を継続。
2015年も引き続き、インターネット広告市場におけるPCからスマートフォンへの予算シフトとともに、国内外のゲーム会社やeコマース、金融など広告主の出稿ニーズは拡大し、高い成長率が見込まれます。広告主のユーザーデータを活用したターゲティング精度の向上や、広告表現技術の進展などにより、スマートフォンユーザーを対象としたオンラインマーケティングがより高度化し、動画広告やネイティブ広告など新しい広告商品の拡充が、市場全体の活性化に寄与することが予想されます。
広告商品別では、検索連動型広告が1,440億円(前年比120%)、ディスプレイ広告2,291億円(前年比139%)、成果報酬型広告172億円(前年比107%)と予測します。2015年は、スマートフォン向けの広告商品ラインナップの拡充や、PC向け広告とのクロスチャネルによる最適化された広告配信技術が普及し始めることにより、広告主のスマートフォン広告出稿ニーズが順調に増加することが予想されます。
検索連動型広告市場は、ユーザーの検索利用の増加を背景に市場の成長は継続するものの、成長率は緩やかになると予想されます。ディスプレイ広告市場は、前年に引き続きソーシャルメディア広告やネイティブ広告、動画広告の需要拡大などを背景に、高い成長率を維持し、スマートフォン広告市場の成長をけん引すると考えられます。成果報酬型広告は、ゲームデベロッパーからの根強い需要のもと、動画広告やターゲティング広告などの普及により、堅調な推移をする見込みです。
■ スマートフォン広告市場の今後
2016年のスマートフォン広告市場規模は、インターネット広告市場の過半数を突破すると予測。
2017年には、5,000億円台に到達すると予想。
スマートフォン広告市場は、2016年以降も成長率は緩やかになりながらも、ユーザーのインターネット上の消費行動における更なる比重の高まりや、オンラインとオフラインを横断するマーケティングチャネルとしてその重要性が高まることなどを背景に、持続的な成長を維持すると考えられます。この結果、市場規模は2016年に4,737億円に達し、インターネット広告市場(※5)全体の55%に達することが予想されます。
当社は今後も、企業のスマートフォンプロモーションの問題解決や効果向上への寄与を目指すとともに、世界各国におけるスマートフォン広告メディアの拡大および、広告効果の最適化に努めてまいります。
※1 「スマートフォン広告市場動向調査」は、CyberZがシード・プランニング社と共同で調査を行い、毎年発表しているレポートです。2013年3月に国内で初めてスマートフォン広告市場規模の予測を行っており、これまでに2013年版・2014年版を発表しております。
※2 本調査におけるスマートフォン広告の定義および、商品区分の定義は下記の通りです。
・スマートフォン広告:ユーザーがスマートフォン端末上で視聴するWebサイトやアプリに対して配信されている、画面サイズに最適化されて表示される広告を示します。また、原則として広告の遷移先となる広告主サイトもスマートフォン画面サイズに最適化されているものを対象とします。
・検索連動型広告:ユーザーの検索キーワードに連動し、検索サイトにおける検索結果ページに表示される広告を対象とします。なお、「コンテンツ連動型広告」に関しては、「ディスプレイ広告」へ区分しております。
・ディスプレイ広告:主にバナー型の広告枠内に動画や図などがビジュアル表示される広告や、媒体(アプリを含む)に広告主が協賛することによりコンテンツの一部として情報発信をする、スポンサータイアップ広告を対象としています。なお、ディスプレイ広告は、媒体社が広告商品として企画・販売する、単一媒体の広告枠上に表示される「純広告」と、アドネットワークやDSPと呼ばれる媒体社以外の広告会社が複数の媒体に一括配信する「アドネットワーク・DSP広告」に分類し、市場規模を推計しています。なお、2014年3月発表時点の2013年市場規模数値につきまして、事業者売上を一部再推計したことにより、数値を修正しております。
・成果報酬型広告:主にアプリ開発者による自社アプリのプロモーション手法として提供されている、インストール課金型の広告商品を対象としています。プロモーション対象のアプリをユーザーがインストールすることに対し、ポイントなど何らかのインセンティブを付与する仕組みにより提供されます。主にWebブラウザサイト運営者によって、ユーザー獲得のために提供されているCPA課金型の広告商品ならびに、携帯電話販売店などの店舗でユーザーの携帯電話端末にアプリをインストールするプロモーション手法として提供されているリアルアフィリエイトは対象に含みません。また、本年よりユーザーに対しインセンティブが付与されるインストール課金型広告の他、インセンティブを伴わないインストール課金型広告を対象として追加しています。
※3 本調査は、スマートフォン広告業界関連事業者へのヒアリング調査ならびに公開情報、調査主体およびシード・プランニングが保有するデータ等を参考に実施しています。
※4 本調査におけるネイティブ広告は、インフィード型フォーマットの広告商品を対象としております。なお、Facebook、Twitterで提供されているインフィード型の広告商品は含みません。ニュースキュレーションアプリで提供されている広告商品や、アドネットワーク事業者がネイティブ広告として提供している広告商品を対象としております。
※5 本調査におけるインターネット広告市場規模は、広告業界関連事業者へのヒアリングならびに公開情報、調査主体およびシード・プランニングが保有するデータ等を元に独自算出しております。
■ 調査概要
調査主体:株式会社CyberZ
調査時期:2014年11月から2015年1月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:デジタルインファクト(株式会社シード・プランニング)
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、弊社のクレジット(CyberZ/シード・プランニング共同調べ)を記載してください。
■ 株式会社CyberZについて http://cyber-z.co.jp/
スマートフォンに特化した広告マーケティング会社として2009年に設立し、サンフランシスコ支社をはじめ、アジア・US・EUなど全世界対応で広告主のマーケティング支援を展開しています。当社が提供するスマートフォン広告ソリューションツール「Force Operation X」は、国内で初めてスマホアプリ向け広告効果計測を実現し、Facebook社の「Mobile Measurement Partners」や、Twitter社の「マーケティングプラットフォームパートナー」に認定されるほか、iAdやGoogle、LINEなど国内外における主要メディアとの連携数は世界最大級を誇ります。広告主導入タイトル数は3,000アプリを突破し、多言語対応はじめ、各国・地域の特性に応じた機能のローカライズも実現しています。
■ 株式会社シード・プランニング/デジタルインファクトについて http://digitalinfact.com/
株式会社シード・プランニングが運営するデジタル領域の市場・サービス評価機関として、2014年10月に設立。業務内容は、企業・団体との共同調査、市場・サービス評価、調査レポートの発刊などを手掛けており、変化の速いデジタル領域の市場の構造や動向について、独自の視点によりシンプルでわかりやすい情報発信をします。
■ 会社概要
社名:株式会社CyberZ http://cyber-z.co.jp/
所在地:東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号 渋谷マークシティ16階
設立:2009年4月1日
代表者:代表取締役社長 山内隆裕
事業内容:スマートフォン広告事業
■ 本リリースに関するお問い合わせ
株式会社CyberZ 広報担当:椛嶋 (かばしま)
E-mail: press@cyber-z.co.jp
Tel:03-5459-6276 Fax:03-5428-2318