株式会社CyberZ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕)が設立したコンテンツ制作スタジオ「StudioZOON」にて編集者を務める村松 充裕が、京都精華大学キャリア教育科目「クリエイティブの現場」の特別ゲスト講師として登壇いたしました。
弊社は昨年よりWebtoon事業に参入し、コンテンツ制作スタジオとして「StudioZOON」を設立、現在多くの編集者/作家/ADにより作品を誠意創作しております。
この度、講談社で20年の編集者経験を経て、現在「StudioZOON」の編集者を務める村松が、紙からWebへと転向した漫画編集者としてのキャリアや、Webtoonの作り方、これからのマンガ家やマンガ編集者との付き合い方などについて学生の皆さんにお話しいたしましたので、当日の様子を一部ご紹介いたします。
【講義について】
・科目名:「クリエイティブの現場」
・授業タイトル:「紙からアプリ、WEBTOONへ 最前線のマンガ編集とは?」
・受講者:約400名
・対象学部:全学部
【開催の背景】
これまでの村松のキャリアや考え方から、
・紙からWeb、アプリへ転向した村松の漫画編集者としてのキャリア
・マンガサービスの「開発・運用」
・WEBTOONはマンガをどう変えるか?これからの作り方・届け方
・これからのマンガ家とマンガ編集者の付き合い方
などが、表現をとことんまで極める芸術系大学で学ぶ学生の皆様にとって興味のあるものであるという観点から、登壇の依頼をいただきました。
【当日の様子】
京都精華大学「クリエイティブの現場」担当講師の光川 貴浩氏とのディスカッション形式で講義が始まりました。
◆「マンガ」「Webtoon」を徹底比較
まず定量的な違いを見てみましょう。
マンガとWebtoonですが売り上げにすると大体 10:1ですが、日本で配信している作品数で言うと100:1くらいの差があります。1作品単位で見るとWebtoonの方が売れやすい状況と認識しています。この売上と作品数の違いですが、グラフにすると画鋲型と、おにぎり型になりますね。
水色で描いているのが漫画の売り上げの図、赤色がWebtoonだとします。
マンガは作品数が多いので横にベタっと伸びています。売り上げも高いものは高いが少ない作品に集中し、結果画鋲のような形になり、トップは突き抜けているが裾野が薄く長い感じになります。
電子書籍の台頭により旧作が売れようになったことで出版社は好景気ですが、新作を作る立場から見るとこの画鋲型の裾野のところで戦って尖っているところを目指す戦いになるので厳しさを感じます。一方Webtoonは旧作と呼べるものはまだ少なく、基本は新作しかないですよね。赤いところが指すように、おにぎり型というか、出せばまあまあ売れる対照的な形になっています。
ここ数年、国内のマンガはゆるやかに売り上げが上がっており上り調子。ただ紙は、店舗数が減っているので必然的に下がっていってしまっています。電子市場がその間を埋めるように広がっている状況です。
先ほど漫画全体の売り上げを10としたらWebtoonは1とい言いましたが、マンガアプリ内で見ると1:1とかになってくるんです。スマホアプリにおいては異常な強さを発揮すると考えると、Webtoonは広がる電子市場の中で基本的には伸びてくると思います。
次に定性で見てみると、僕の感覚値なのですが、マンガを描くのは「大企業に勤める」に似ていて、
Webtoonを描くのは「ベンチャーに勤める」に似ていると思うんです。
●マンガを描く良さ(成熟産業の良さ)
・業界の仕組み/育成システム/契約が大体一緒で確立されている
・先人の資産がある
・経験ある編集者がたくさんいる
・カバーするジャンルが広い
などが挙げられます。業界の仕組みが確立されていて契約や育成システムが出版社によって違うことはあまりなく、編集者とメディアくらいしか違わないので安心感はありますよね。
先人の資産も大量にあるので、「野球漫画書きたい」となったら大量の資料がある、世にも溢れている、経験ある編集者もいます。そんな感じで成熟しています。
●Webtoonを描くツラさ(未成熟産業のツラさ)
・業界の仕組み/育成システム/契約がバラバラで確立されていない
・先人の資産が少ない
・経験ある編集者が少ない
・カバーするジャンルがまだ狭い
Webtoonは未成熟産業ゆえのツラさがあります。「出版社と付き合ってマンガを描く」時に良かった点が、対照的にツラい点になってますね。
●Webtoonを描く良さ(未成熟産業の良さ)
・競争がまだ緩やか
・開拓途中なので新しい成果がたくさんある
・習得に時間がかからない
・シンプルに面白い作品がウケる
・読みやすくライトユーザーに届きやすい
普通の漫画でかなりのヒット!と言える数字がWebtoonなら普通にとれる状況なので夢がありますよね。やはりスマホで読みやすいというメディアの特性で勝っています。
●マンガを描くツラさ(成熟産業のツラさ)
・競争がエグい
・開拓され尽くしているので新しい成果が得づらい
・習得に時間がかかる
・複雑で高度な作品しかウケづらい
・読みにくくライトユーザーに届きにくい
Webtoonでよかったことがこっちではツラい状況。逆なんですよね。
競争がきついですし、マンガは視線誘導とかが複雑で作品作りが難しいです。
●表現の違いによって出てくる得意不得意
マンガは、本質的に客観的なメディアです。
・得意→広い世界観、多数のキャラ、多くの情報、複雑な状況を扱える
・不得意→主人公への共感と没入、主観的な心理の流れ、読みやすい構成漫画、客観的、広い
Webtoonは、本質的に主観的なメディアです。
・得意→主人公への共感と没入、主観的な心理の流れ、読みやすい構成
・不得意→広い世界観、多数のキャラ、多くの情報、複雑な状況
Webtoonはまだまだ歴史が浅くて「メディアの不得意な部分を克服するメソッド」が蓄積されてない状態です。是非あなた自身が「先人」になってください。Webtoonを描く楽しさは開拓の楽しさにあると僕は思います。
【登壇者】
株式会社CyberZ IP戦略室 StudioZOON所属・村松 充裕
Twitter:https://twitter.com/yogoharu5535
<来歴>
2002年講談社へ入社し、週刊少年マガジンに配属される。入社10年後にはヤングマガジンへ異動。
その後、新規サービスとしてマンガアプリ制作に携わったのち、モーニングの編集部にて漫画編集に戻る。
講談社に勤めて20年が経った頃、以前から読んでいたWebtoonに興味を持ち、2023年CyberZの「Studio ZOON」へ転職し、現在に至る。
<過去の主な担当作品>
『中間管理録トネガワ』『1日外出録ハンチョウ』『食糧人類』『アポカリプスの砦』等。
【StudioZOON採用募集】
株式会社サイバーエージェントの100%子会社である弊社CyberZが新規事業としてWebtoon事業を発足いたしました。事業参入に伴い、新たにコンテンツ制作スタジオ「StudioZOON」を設立し、Webtoonの企画・制作から販売までの体制を整えていく予定です。
電子コミック市場の拡大は続き、成長し続けると予測されています。弊社はこれまでに広告代理店事業、eスポーツ事業、ライブ配信メディア事業、グッズ販売事業などIPを扱ったエンターテインメント領域の多岐にわたる事業展開を通じた業界活性とビジネスの創出を行ってきたナレッジを生かし、他に類を見ない新たな体験を創出できると考え、本事業設立に至りました。
そこで、出版経験やWeb媒体作品の編集経験がある方を募集しております。
●仕事の内容
グローバルで日々注目度が増しているwebtoon業界をリードする新規事業で、グローバルなヒット作品を生み出していただきたいと思っております。
●仕事の詳細
・編集プロダクション等の外部協力企業の進行管理
・原作小説、IPの選定と発掘
・担当作家との作品作り(プロット、ネーム、キャラクター設定など各工程の進行管理・校正等業務)
今後は、グループ企業との協業を通じて、マーケティング、グッズ販売、アニメ化、実写化、ゲーム化などのさまざまな事業も展開していく予定です。
●CAグループ全体で多方面展開が望める
本新事業は多方面・グローバル展開をしていきたいとの考えもあり、CAグループ全体で協力上げ、全体で盛り上げていくつもりです。
CA内でのノウハウを生かして、Webtoonでマンガを出すだけでなく、ゆくゆくはアニメ化、グッズ化、ドラマ化など他事業に昇華させることが可能な体制も整っています。
(参考リリース)
https://cyber-z.co.jp/news/pressreleases/2022/0422_13631.html
現時点での応募意思は問わず、まずはカジュアル面談という形でのお話も可能です。
現職との比較検討のためでも構いませんので、「StudioZOON」にご興味お持ちいただけましたら、ぜひ以下までお気軽にお問い合わせください。
株式会社CyberZ 広報:城戸
kido-risa@cyber-z.co.jp
■CyberZについて http://cyber-z.co.jp/
代表取締役社長:山内 隆裕(https://twitter.com/brother0820)
スマートフォンに特化した広告マーケティング会社として2009年に設立しました。スマートフォン広告における運用・効果検証、交通広告やウェブCMの制作など、幅広いマーケティング事業を展開。日本に加えて、サンフランシスコ、韓国、台湾にも支社を構え、国内広告主の海外進出および海外広告主の日本展開支援も行っております。 eスポーツ事業として、国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」を運営しております。CyberZ100%子会社としては、フィギュア販売やオンラインくじなどのオンラインエンタテインメント事業をおこなう「株式会社eStream」、eスポーツに特化したイベント制作会社「株式会社CyberE」の事業を展開しております。 また、エンターテインメント領域の事業者様との複数の事業展開を通じて、業界活性とビジネス創出に努めてきたこれまでの知見や強みを活かし、企画/制作/運営などをワンストップでご提供する『NFT』のプロデュースや、Web縦読みマンガの企画・制作から販売までの体制を整えるコンテンツ制作スタジオ『StudioZOON(スタジオズーン)』を設立するなど、IPクリエイションにも注力しております。
■ 会社概要
社名株式会社CyberZ
東京本社東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア 23階
代表者代表取締役社長 山内隆裕
事業内容スマートフォン広告事業、スマートフォンメディア事業、eスポーツ事業
URL http://cyber-z.co.jp/
■ 本リリースに関するお問い合わせ
株式会社CyberZ 広報担当:城戸梨沙